未来みらいのトイレ」って、どんなイメージ?ボタン1つで自動じどう流れながれる?実はじつはね、人類じんるいはもう、宇宙うちゅうでぼくと付き合うつきあう時代じだい入ってはいってんだ。今日きょう国際こくさい宇宙うちゅうステーション(ISS)のトイレ事情じじょうはなしをするね。

この格言かくげん出典しゅってん元のもとの意味いみ

ISSにいまあるトイレ、名前なまえは「Universal Waste Management System(UWMS)」。NASAが開発かいはつした最新さいしんかたで、お値段ねだんなんと1もと23おく28億円にじゅうはちおくえん普通ふつういえのトイレが何万なんまんだい買えかえるか、考えかんがえたくないくらい。

なぜそんなに高いたかいか?答えこたえ無重力むじゅうりょくにある。地球ちきゅうのトイレは重力じゅうりょくでぼくが下にしたに落ちるおちるけど、宇宙うちゅうでは浮くうくぼくを下にしたに引っ張るひっぱる代わりかわりに、空気くうき吸い込むすいこむ仕組みしくみなんだ。掃除機そうじきみたいなイメージ。便座べんざ下にしたに強いつよい気流きりゅうがあって、ぼくが船内せんない逃げにげ出さださないように吸引きゅういんする。

宇宙トイレの断面図解。曲がった座面と足固定具、おしっこ用ホース、固形物用の穴、気流で吸い込むメカニズムが描かれている
無重力むじゅうりょくでは「気流きりゅう」が重力じゅうりょく代わりかわり。ぼくは空気くうき吸いすい取らとられていくんだ。

しかも宇宙飛行士うちゅうひこうし地上ちじょう訓練くんれんする専用せんようトイレまである。便座べんざ真ん中まんなか小さいちいさいあながあって、そこに正確せいかく当てあて練習れんしゅうをするんだ。カメラで角度かくど確認かくにんしながら座るすわる失敗しっぱいしたら船内せんない飛びとび散るちる本当ほんとう困るこまるからね。

おしっこは飲み水のみみずになって戻っもどってくる

宇宙うちゅうのトイレで一番いちばんすごいのは、おしっこが98%の確率かくりつ飲み水のみみず再生さいせいされること。船内せんないみずちょう貴重きちょう資源しげん地球ちきゅうから1Lのみず運ぶはこぶのになに万円まんえんもかかる。だからおしっこは捨てすてない、循環じゅんかんさせるんだ。

仕組みしくみは「蒸留じょうりゅう」と「フィルター」。おしっこをタンクに集めあつめて、加熱かねつして水蒸気すいじょうきにして、不純物ふじゅんぶつ残しのこして、またみず戻すもどす。NASAは公式こうしきに「昨日きのうのコーヒーが、今日きょうのコーヒーになる」って表現ひょうげんしてる。冗談じょうだんじゃなくて本当ほんとうはなし

尿のリサイクル循環図。タンクに集めた尿が蒸留装置を経て飲料水に変わり、コーヒーになって宇宙飛行士に戻る流れ
尿にょう98%が再生さいせいみずに。閉じとじふねなかでは、ぼくとおる資源しげんそのものなんだ。

じゃあ固形こけいのぼくはどうなるか?密閉みっぺいされた容器ようき保管ほかんされる。ISSでは数日すうじつ数週間すうしゅうかんに1補給ほきゅうふね地球ちきゅうから物資ぶっし運んはこんでくる。帰りの便かえりのびんで、ぼくは大気圏たいきけん廃棄はいきされる

ぼくは流れ星ながれぼしになるんだよ

補給ほきゅうふね積まつまれたぼくは、ISSから切り離さきりはなされると地球ちきゅう大気圏たいきけん向かむかって落ちるおちる秒速びょうそくかずkm。空気くうきとの摩擦まさつでカプセルは真っ赤まっか燃えもえ上があがって、流れ星ながれぼしになる

つまり、夜空よぞら光るひかる流れ星ながれぼしのいくつかは、宇宙飛行士うちゅうひこうしのうんちってことだよ。

国際宇宙ステーションから切り離された補給船が大気圏に再突入し、流れ星のように燃え尽きる図解
大気圏たいきけん燃えもえ尽きことごとき輝きかがやき。ぼくはほしになって、地球ちきゅう還っかえっていくんだ。

これから人類じんるい月面げつめん基地きち火星かせい到達とうたつ目指しめざしてる。がつ火星かせいでは補給ほきゅうふね地球ちきゅう戻すもどすこともできない。全部ぜんぶその再生さいせい分解ぶんかいする閉鎖系へいさけいトイレ必要ひつようになる。NASAは「ぼくから食料しょくりょうよう育てそだて研究けんきゅうまで始めはじめてる。ぼくは未来みらい食料しょくりょう候補こうほなんだ。

うんちくん的にてきに読みよみ解くとく

ぼくの目線めせん言ういうとね、宇宙うちゅう時代じだいのぼくは「捨てるすてる」じゃなくて「資源しげんになる。中世ちゅうせいのおほり投げなげ捨てすてられたぼく(cat5-medieval-garderobe)、19世紀せいきパリの石畳いしだたみ流れながれたぼく(cat5-paris-poop-history)、江戸えど肥料ひりょうになったぼく(cat5-edo-shimogoe)、そして21世紀にじゅういっせいき宇宙うちゅうみず食料しょくりょう変わかわるぼく。人類じんるい遠くとおく行くいくほど、ぼくは大切たいせつ扱わあつかわれるんだ。

おもしろいのは、水洗すいせんトイレが普及ふきゅうして50ねん経たへたないうちに、人類じんるいはもう「ぼくを循環じゅんかんさせる」時代じだい来てきてってこと。流しながし終わりおわりじゃなくて、何度なんど使いつかい回すまわす閉じとじ環境かんきょうでは、ぼくは無駄むだにできない貴重きちょう存在そんざいなんだよ。

今日きょうからできる1つのこと

明日あしたトイレに入ったはいったら、1びょうだけ「ありがとう」を言っていってみて

江戸の肥溜め、近世のおまる、現代の水洗トイレ、未来の宇宙トイレを4段階で並べた進化のタイムライン図
江戸えど近世きんせい現代げんだい宇宙うちゅう。トイレの進化しんかは、人類じんるい進化しんかそのものなんだ。

冗談じょうだんじゃなくて、これが意外いがいとぼくとの関係かんけい変えかえるんだ。当たり前あたりまえ見直すみなおす視点してんって、ちょうかつにもつながってる。普段ふだんぼくを「邪魔じゃまもの」「臭いくさいもの」として扱うあつかうか、「健康けんこうのサイン」「毎日まいにち相棒あいぼう」として扱うあつかうか。気持ちきもちひとつで、ぼくの観察かんさつ丁寧ていねいになる。

宇宙飛行士うちゅうひこうしぼくをカメラで毎日まいにち確認しかくにんしながら座るすわる地球ちきゅうにいるくんもね、流すながすまえにちょっとだけかたちいろりょう見るみるだけで、食事しょくじ生活せいかつ変化へんか気づきづきやすくなる。宇宙うちゅう行かいかなくても、宇宙飛行士うちゅうひこうし同じおなじ習慣しゅうかん持てもてんだよ。

うんちくんアプリで毎日まいにちのぼくを記録きろくすると、流れながれ見えみえてくる。江戸えど時代じだいひとにも、ISSの宇宙飛行士うちゅうひこうしにも負けまけない丁寧ていねいで、ぼくと付きつき合えあえるんだ。

まとめ

ぼくはね、人類じんるいとずっと一緒にいっしょにたびをしてきた相棒あいぼう江戸えどはたけ、パリの石畳いしだたみ現代げんだい水洗すいせん、そして宇宙うちゅうステーションの吸引きゅういんチューブ。かたち変わかわっても、関係かんけい変わかわらない。むしろ遠くとおく行くいくほど、ぼくは大切たいせつにされる。明日あしたあさトイレに入ったはいったら、1びょうだけぼくと水洗すいせんトイレに感謝しかんしゃしてみて。それだけで、ぼくとくん関係かんけいはちょっと深くふかくなるよ。